土堂の雁木

不詳

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尾道は古来より芸備地域を代表する商都として栄え、明治に入ってからも広島をしのぐ商業地であった。その根本にあったのは海運であり、港を維持するために川がはき出す堆積土砂を浚渫しては埋め立てて市街地を広げることを繰り返してきた。
雁木とは干満差に対応するための階段状の船着場であり、尾道には優れた石工が多かったため、長大で優美な石積み雁木が構築され、港を象徴する風景を形作ってきた。しかしこれら雁木の大半は主に戦後に破壊され、ほぼ絶滅している。土堂エリアの雁木は近年再構築されたものでオリジナルではないが、現代なりの石積み雁木が表現されている。