海友舎/旧海軍下士卒集会所

不詳 1907

#1:ファサード

江田島に残る白い洋館。本作は、主に海軍兵学校の職員向けの福利厚生施設であり、遊戯場や浴場などを備えていた。後に兵学校の拡張にあわせて増築され、さらに収容力を増すために階段室が居室に変更されたために廊下に階段を付けるなど、やや強引な改造がなされている。
戦後は民間企業に払い下げられ、長きにわたって事務所として使用された後、2013年現在は活用法が模索されている状態だ。見学会が行われたのでさっそく見に行ってきた。
外観は洋館としては一般的な下見板張りのペンキ仕上げ。バルコニー部分の屋根は切妻になっているが、建設当初はアーチだったという。基礎やポーチの床には赤レンガが使われている。また、洋館の後背には畳敷きの武道場と板張りの遊戯室があるが、どうやらトラス架構のようだ。建具を含め保存状態は良好。さらに各所に旧海軍時代のものが残されており、今後の地域づくりへの活用が期待できそうだ。