袋町小学校平和資料館/旧袋町尋常高等小学校校舎

広島市営繕課 1937

広島の都心部にある小学校の被爆校舎の一部保存。設計は市の営繕課(意匠:牛尾技師、構造:森川技師)が担い、水洗トイレやダストシュートも設けられていた。戦災により市役所も全滅状態となり終戦直後には平和アパートなどのRCの施工に苦労することになるが、戦前期は市内でこれほどのものを設計する能力があったことが分かる。
被爆時には躯体を残して全焼、児童教職員はほぼ全滅した。直後から救護所として使用され、階段室には安否確認の伝言が書かれた(現在でも保存されており見ることができる)。

本作はモダニズムらしい横連窓に庇が付く当時の最先端デザインが採用されている点に特徴がある。戦前期の市内のRC建築はどれも縦長の窓であり、このような横連窓は珍しかったはずだ。同じくRC造被爆校舎の本川小が比較的コンサバティブな外観であるのと好対照をなしている。

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