阿賀の医院

不詳

阿賀のうち旧市街と呼べる山側のエリアに残る医院。木造2階建ての洋館だが、安定感のあるこなれたデザインなので昭和初期頃と推測する。町家と連なる昔ながらのたたずまいはとても魅力的だ。
建物としての見どころはエントランスまわりで、庇を支える柱は中央部が膨らんでおり(エンタシスという)様式を意識したデザイン。縦長の窓には上げ下げ式の木製建具が付き、おそらくオリジナルだろう。アルミサッシに換えずに木サッシが大切に使われているのは住まい手からみれば不便も多いわけで、大変すばらしいことだと思う。さらに上部に目を転じると、軒には繰型が付き、パラペットにも装飾が見られる。町場の医院は洋館であることが多いが、その典型例といえる。

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