トヨタL&F広島本社

手塚建築研究所 2003

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広島の西部に広がる埋め立て地に建つ、フォークリフト会社のオフィス兼整備工場。
飛行機の格納庫にも似た、限りなくシンプルな箱の表現がなされている。開口部のサイズは幅45mで高さ9m。左半分がオフィスで右半分が整備工場。オフィスの中にはさらに入れ子の箱(会議室など)がある。整備工場のファサードは幅7.5高さ8mの3枚構成の引き戸(透明のポリカ)で、全開させることが可能。普通に考えると天井高が8mもあるオフィスは空調効率が悪いはずで、まるで工場の一部を後からオフィスに改装したかのような印象を受けるが、当初からオフィスとして設計されているようだ。
建築の構造も見た目通り。梁成600ミリの形鋼のラーメンで45mスパンを飛ばし、生じた無柱空間を透明なガラスや引き戸で区切って使っている。梁同士の間隔は1.2mだから、室内で見上げれば梁だらけということになるが、これはこれで表現として悪くないと感じた。
さてさて、この種の建築を見ていつも思うのは日射と空調の処理。手塚さんは基本的に住宅作家だから居住性能という実用性と作家性の調和はできているだろうと思うけど、実際ここで働いてみるとどうなのか、かなり気になる。