勝利湯 [現存せず]

不詳 1925?

郷土資料館近くにあった銭湯。「勝利湯」というネーミングだけでも戦勝に沸き立つ時世を感じさせる。陸軍関係者や工員などが多く利用していたのかもしれない。基町アパートにある銭湯の名前が「平和湯」なのとは対照的だ。
本作は広島市の被爆建物リストには載っておらず建築年代は未確認。ネット上のブログなどでは1925年との記載があり、ファサードのスクラッチタイルからも1920~30年代と推測できるが確証はない。わかり次第追記したい。
浴室の窓はガラスブロックで、ところどころ色付きになっている。贅を極めた名建築とは比べるべくもないが、施主なり大工なりの心意気や遊び心は十分に伝わってくるわけで、そこには確かに美が宿っている。

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