三瀧寺

不詳 1968再建

広島デルタ辺縁部、三滝山に建つ寺院。都心からは距離があるものの、被爆時の強烈な爆風から逃れることはできず、1960年代に境内の建物の多くが再建されている。また、臨時救護所となっていた関係からか、原爆死没者の慰霊碑が多く見られるのも普通の寺とは違う点だ。
建築史的に価値が高いのは多宝塔とされる。この塔は、もともと和歌山県の広八幡神社に16世紀に建てられたものだが、明治以降移築を繰り返し、1951年にこの地に移築され、原爆死没者の慰霊塔となっている。ただ、本堂や鐘楼についても決して価値がないわけではなく、しっとりと落ち着いた佇まいは古刹らしい空気感を出している。
一般には紅葉の名所として知られているが、季節を問わずちょっとした散策に適したエリアだ。