M-CLINIC

窪田勝文

#1

広島市の西部市街地に建つ医院。
写真でどこまで伝わるかは分からないが、見た最初の印象は 「わーすごい。模型みたい。」 だった。

「模型のような建築」というのは決して批判しているのではなく、賞賛の言葉として使っている。というのも、多くの場合、模型やCGを見て格好いいと思っても、いざ現物を見るとガッカリ…というケースがほとんどだからだ。例えば、模型の印象よりスラブ(床)が厚かったり柱が太かったりしてシャープさが失われていたり、模型には無かったはずの看板が付いていたり、布団が干してあったり(*1)…など、ガッカリ要素はいくらでもある。

このケースにおいて、極薄スラブの表現等の高度な抽象化・シンプル化をやり抜いたのは建築家の頑張りの賜物であろうし、生活感を出さず、窓にPOPやチラシを貼ったりせず、水盤のメンテも含めて綺麗に使い続けている施主もすごいと思う。
よく言われるように、家づくりは施主と建築家のコラボレーションなんだなぁと改めて思った。