筏津芸術村/旧筏津小学校校舎

不詳 1957頃

北広島町の筏津という地域に残る旧木造校舎。周辺はまさに絵に描いたような里山の風景が広がっている。
筏津小学校の歴史は非常に古く、1874年に「鳴皐舎」として設立され、現在の建物は戦後に建てられた。1996年に統廃合され廃校となり、現在は工房・アトリエ・集会室として活用されている。
エントランスは北向きであるため、エントランス側は廊下で、奥が教室となっている(教室は南面採光となる)。ファサードを見て気づくのは二階にある縦長の窓だ。この部分は講堂だったらしく、縦長の窓は上げ下げ式である。しかも、窓枠は3分割され、一番上と一番下が滑車を介してつながることでバランスをとる仕組みだ。この形式の窓は県内ではあまり見たことがなく、貴重なものと思われる。
二階の講堂部分は教室に改造されているが、その他は建設時の姿をほぼ留めているといい(*2)、保護者が炊き出しをしたという給食室や、商店がないため学用品を置いていたという売店(写真#6手前)など、当時の田舎の小学校の様相を伝えるものがよく残されている。