大聖院

不詳 19~20世紀

大願寺と並ぶ宮島の古刹。真言宗の寺院であり、806年に空海が開いたとされる。建築群は弥山登山道の一つ(大聖院ルートという)に沿って配置されており、山岳信仰・修験道とも関わりがあるようだ。
建築群の大半は明治期の大火で焼失したため、多くは昭和期の再建であり文化財ではないが、日本の木造建築の絶頂期に建っただけにグレードは高く非常に見ごたえがある。
個人的に最もグッときたのは摩尼殿。丘の上にあるので、観音堂から見ると軒下を見上げる形となり、屋根を支える構造材(斗きょう)が特別な存在感を発揮する。唐破風向拝の天井は何と折上小組格天井で(写真#5)厳島神社にも見られる最上級グレード。