能島城址

不詳 15世紀


能島周辺の潮流。遊覧船がエンジンを止めるとたちまち回転してしまう。

室町時代の芸予の海を制した村上水軍のうち、能島村上氏とよばれる一族の根拠地。小説「村上海賊の娘」で知ったという人も多いだろう。
能島は狭い海峡のただ中に浮かぶ三角形の小島で、周囲の潮流が早く複雑に変化する天然の要害だ。島の頂上に本丸を置き周囲に出丸を配し、水際には係船杭の跡と思われる穴が残されている。
能島村上氏は木津川口での海戦で織田軍を撃破するなど戦功を挙げるが、秀吉が天下人になると1588年に海賊行為が禁止となり、能島城は廃城となった。以後そのままの姿で残されており、史跡としての価値は高い。