今治市民会館

丹下健三 1965

#1:ファサード。この広場はもっと使うべきだ。

今治市の中心部に建つ公民館施設。市庁舎・公会堂と共に都市広場を形成しているが、純粋に建築作品としては本作が最も優れているように思える。ルーバーを含めた窓のおさまりは実にシャープで、半世紀を経た現代でも見る者を驚かせるインパクトがある。内部の建具もおそらくオリジナルかそれに近い年代のものだろう。
本作も耐震性を理由にした解体論争のただ中にある。これが解体されると今治を訪れる価値は相当減るだろうが、そもそも広場を駐車場にしてしまうのが間違いの始まりだと思う。私なら市民会館・公会堂を綺麗に塗り直して広場を緑化し、野外コンサートなどを頻繁に開ける”使える広場”にする。使ってみてようやく本作のプランニングの確かさやありがたみが分かってくるはずだ。